任意整理は、弁護士が消費者金融会社やクレジットカード会社などと交
渉しますので、依頼者の方において何かしなければならないことが特段あるわけではないと思います。
ただし、以下の点に気をつけていただいた方が良いと思います。
まず、任意整理後、業者への支払が開始しますので、その準備として家計の状態をきちんと把握してください。
ご依頼の時点で、弁護士と月々いくらであれば支払可能であるかについてお話すると思いますが、現実にいくらの支払が長期間の分割払いで可能かについてよく確認していただけたらと思います。
なぜなら、任意整理後、長期間の分割払いになり、しばらくの間、約束した金額を支払い続けなければなりません。
一度合意した支払金額を減らすことは簡単ではありません。
そして、任意整理によりブラックリストに載り、借入やクレジットカードの利用ができなくなりますので、借りて返すことができなくなります。
つまり、返済資金を全て自分で用意する必要が出てきます。
負債の支払に頭を悩ませていたところ、弁護士に債務整理を依頼して、一時的に業者への支払がストップになりますので、ほっとされるのは感情として当然だと思います。
ですが、そこで油断して、財布の紐をゆるめてしまうと、任意整理後の支払の際に厳しい状態になってしまいます。
油断せずに、支払開始の際に問題なく支払ができる状態に家計を維持していただいた方が、支払が開始したときに楽な気持ちになることができます。
通常、業者への支払が一時ストップしても、弁護士費用の支払があると思いますので、そこでバランスがとれるかもしれません。
弁護士と任意整理後の支払金額について、よく打ち合せてください。
それから、任意整理を依頼したら、クレジットカードは利用できませんので、気をつけてください。
公共料金などをクレジットカード払いにしている方がいると思いますが、支払方法を変更する必要があります。
支払方法を変更しないでいると、いつまでもクレジットカード払いの状態になってしまい、任意整理に支障をきたすおそれがあります。
任意整理の開始によりブラックリストに載りますので、普通の業者から借入ができなくなりますが、そのような人をヤミ金業者が狙っています。
ヤミ金業者から借りてしまうと、大変な目に遭うおそれがありますので、絶対にヤミ金業者から借入をしないようにしてください。
もし、転職した場合、転居した場合、結婚・離婚して名字が変わったという場合には、弁護士に報告していただいた方が良いです。
他にも、何らかの事情で収入が激変した場合には、やはり弁護士に連絡してください。
あと、なるべく高額の買い物などは控えていただき、これをしても大丈夫かなと思うようなことがあれば、事前に弁護士に相談していただいた方が良いです。
弁護士の立場から、色々と言ってしまいましたが、とにかく依頼した弁護士によく相談していただけたらと思います。
任意整理後の支払の段階では、他から借金せず、約束どおりきちんと支払をしていただくことだと思います。
支払さえきちんとできていれば、基本的に自由です。
