任意整理は、任意整理での合意どおりに支払を続けることを前提
にした手続ですので、業者への支払はきちんと行っていたくことが鉄則です。
それでも、支払を怠ってしまった場合、業者から督促の連絡がきます。
それは、直接ご本人に連絡がくる場合と任意整理をした弁護士に連絡がくる場合があります。
多くの任意整理の合意内容は、2回支払を怠ると期限の利益を喪失するという条項が入っています。
期限の利益を喪失するとは、直ちに全額を支払わなければならない状態になるということです。
多くの場合は、2回支払を怠った場合に期限の利益を喪失するという内容になっていますので、1回支払を怠っただけでは期限の利益を喪失しません。
ただし、連続2回とは記載されていませんので、間隔が空いていても合計2回支払を怠ると、期限の利益を喪失することになります。
それから、2回支払を怠ると、多くの場合で、期限の利益の喪失だけでなく、遅延損害金が発生することになります。
また、業者からの催促は、1回支払を怠っただけでもあります。
期限の利益を喪失するのは、2回支払を怠ったときですが、きちんと約束どおり支払う義務は合意書上ありますので、1回でも支払を怠れば催促をすることは可能なのです。
そして、早く支払うように、いつ支払えるのか等と言われることになります。
それでも支払をさらに怠ってしまい、2回支払を怠ったことになると、多くの場合で期限の利益を喪失し、直ちに全額を支払わなければならなくなります。
法律上はそうなりますが、だからといって全額を一括で支払える人は通常いません。
結局、こうなると、任意整理をしたことが無意味となってしまいます。
しかも、一度約束した支払を反故にしていますので、より悪化しているといえます。
ですから、2回支払を怠った後は、以後はきちんと支払うとご本人が言っても取り合ってもらえない場合が多いです。
この状態で、弁護士に再度任意整理を依頼することは基本的に可能です。
ただ、任意整理がうまくいかないリスクが1回目より高くなっており、2回目の任意整理を弁護士が必ず受けてくれるとは限りません。
任意整理後にきちんと支払ができていない状態からすれば、弁護士からは任意整理ではなく、破産や個人再生を勧められるかもしれません。
したがって、任意整理の後はとにかくきちんと支払っていただいた方が良いです。
なお、以上については、一般的な内容であり、正確には任意整理の合意内容によって異なってきますので、任意整理の合意書・示談書をよく確認していただき、任意整理を依頼した弁護士に詳しく説明してもらった方が良いと思います。