刑事事件における国選弁護人については、被疑者・被告人が、複数の選択肢
から自分で選べるわけではありません。
被疑者や被告人が国選弁護人の選任の希望を出すと、名簿に掲載されている弁護士の中から国選弁護人に選任されることになっています。
被疑者・被告人に選択肢は示されません。
その場合に、選任された国選弁護人が、刑事事件に精通しているか、同種事件の経験があるか等の事情は、殺人事件のような重大事案・特殊事案を除き、通常考慮されません。
最近弁護士になったばかりの新米弁護士が国選弁護人になるという可能性もあります。新人弁護士は初年度に国選弁護人を経験することが必須となっている弁護士会は多いです。
また、一旦、国選弁護人が選任されると、被疑者・被告人が国選弁護人は頼りないので解任して欲しいというだけでは解任にもならず、その国選弁護人が最後まで弁護活動を続けることになります。
解任は、一定の法律上の要件を満たした場合に、裁判所の権限で認められるものであり、被疑者・被告人の権限ではありません。
どうしても国選弁護人を変更したい場合は、別の私選弁護人に正式な依頼をすれば、国選弁護人は解任される取扱いになっています。
途中解任でも、国選弁護人の費用が発生することは多く、裁判所の判断によって、その国選弁護人の費用を負担するよう命じられる可能性があります。