逮捕は、突然されてしまうものです。
事前に、警察から「これから逮捕します。」という連絡があることは、これまでの当事務所の弁護士の経験上はありません。
被疑者に事前に逮捕することの連絡があった場合、被疑者が逃亡するリスクがあります。
ですから、法律上も、逮捕の場合に、事前に連絡をしなければならないという規制はありません。
現行犯逮捕はその場での逮捕ですので当然に突然の逮捕ですが、事前に裁判官の逮捕状を得た上での逮捕(通常逮捕)であっても、逮捕される人にとっては突然のことになってしまいます。
ただし、政治家や芸能人の事件で、大勢のマスコミや野次馬が近くにいて、逮捕現場が大きな混乱が生じるおそれがある場合で、逃亡のリスクが低いときには、事前に連絡があることもあるようです。
それは、仮にあったとしても、かなり例外的だと思います。
経験上、一番多いのは、早朝の自宅に警察官がやってきての逮捕です。
おそらく、24時間のうち、人がいる可能性が高いのは、早朝の自宅なのだと思います。
あと、夜は警戒心が強くなったりしますが、早朝は寝起きで思考力がにぶっているため、突然の逮捕劇から逃走をはかる気力も失せるように思われます。
それから、逮捕後に行わなければならない手続の関係でも、早朝の逮捕であれば、まだ時間に余裕があります。
社会人が日中いる場所としては勤務先ということが多いと思いますが、仕事で外出という可能性はあり、早朝の自宅より確実性が低くなるのではないかと思います。
また、勤務先ですと、被疑者の職場に迷惑をかけることもありますし、警察もあえて職場で逮捕することで、被疑者の逮捕を人目にさらすようなことはしないという程度の配慮をしていることが多いです。
なお、勤務先から出て帰宅途中での逮捕ということは、あり得ます。
いずれにしても、逮捕は、突然やってきます。
心あたりがある方は、早めに、刑事事件に詳しい弁護士に相談された方が良いと思います。