一般に、保釈中の第1審で、執行猶予が付かない実刑判決が出ると、その
場で身柄が拘束されます。
つまり、法廷で身柄が拘束されます。
法律上も、保釈の効力は、禁錮以上の実刑判決の宣告があったときに失われると規定されています(刑事訴訟法343条)。
保釈の効力が失われたことにより、元々の勾留の効力が復活し、身柄が拘束されるのです。
ですから、まだ実刑判決が確定していない段階で、身柄が拘束されてしまうのです。
その場合、控訴と共に、再保釈の申請をすることは可能です。
第1審で保釈が認められていたからといって、再保釈が必ず認められるとは限りません。
ただ、状況にもよりますが、第1審で保釈が認められている場合、再保釈が認められる可能性は比較的高いようです。
保釈保証金は、第1審の1.5賠程度になることが多いように思われます。
第1審の保釈金に追加することが可能です。
再保釈が認められている控訴審でも実刑判決が出た場合、第1審と状況は変わらないようですが、実務的には、判決時に身柄が拘束されません。
第1審では、被告人の出頭が必須ですが、控訴審では被告人の出頭義務がありませんので、必ずしも判決時の法廷に被告人がいるわけではないことから、控訴審では判決時に身柄が拘束されない運用になっているものと思われます。
真面目に法廷に出頭すると、その場で身柄が拘束され、法廷に出頭しないと、身柄拘束が先になるというのでは、不公平になってしまうと思います。
さらに、上告して、再々保釈(あまりこのような言い方はしませんが)を申請することはできます。
再保釈が認められているからといって、再々保釈が認められるとは限りません。
保釈金の積み増しになることが多いようです。
再々保釈が認められて、上告でも実刑判決が維持され確定した場合は、やはり判決時に身柄は拘束されません。
上告審の判決は、突然、上告を認めない旨の書面が送付されてくることが多く、実際に法廷が開かれることは滅多にありません。
上告が棄却されて実刑判決が確定してから数週間から1か月程度後に、収監の通知が送付され、収監されて、刑務所に行くことになります。