確かに、刑事事件の弁護士費用について、自白事件の場合は、着手金・報酬金が各20万円(税別)であるのに対し、否認事件の場合には、着手金・報酬金が各50万円(税別)となっており、金額に大きな差があります。
このように、弁護士費用が大きく違うのは、弁護活動の内容が全く違うからです。
否認事件の場合、捜査機関は犯罪事実を疑って捜査を行っているのに対し、徹底抗戦することになります。
当然、依頼者の方と何度も接見したりして、打合せを行い、また取調べの状況を確認し、今後の弁護方針を組み立てる必要があります。
取調べでどのように対峙していくかについて、詳細な検討が必要です。
また、裁判になった場合は、否認事件では、検察官から開示された証拠を綿密に検討する必要があります。
これに対し、自白事件の場合、犯罪事実を認めていますので、捜査機関と戦うのではなく、情状酌量を求めることになります。
主としては、被害者の方との示談交渉や更正に向けての活動になります。
取調べについて、否認事件のような特別な準備は必要になりません。
否認事件と比較して、多数回の打合せは必要ありません。
また、裁判の場合も、自白事件では、検察官から開示された証拠を否認事件ほど検討する必要はなく、主として情状証人などの情状弁護になります。
以上のとおり、否認事件と自白事件で、弁護活動の内容が全く異なります。
そして、否認事件の方が、自白事件に比べて、かなりの労力や時間を費やすことが必要となります。
したがって、どうしても、否認事件は、自白事件より、大幅に高額となってしまうのです。
大変恐縮ですが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。