独立当事者参加とは、既に係属している訴訟において、第三者が自己の請求のためにその訴訟に参加することです。
独立当事者参加は、民事訴訟法47条に規定されています。
具体例としては、原告が被告に対して土地の所有権確認の訴えを起こしている場合に、我こそは本当の土地所有者と主張する第三者がその訴訟に参加し、自己の所有権の確認を原告被告双方に求める場合があります。
独立当事者参加が認められた意義については、学説上、三面訴訟説といわれる説が有力とされています。
三面訴訟説は、三者間の紛争が二当事者間の個別の紛争に還元することができず、三面的紛争であることから、審理の重複や判決の矛盾が生じることを防ぐために独立当事者参加が認められたというものです。
独立当事者参加には、大きく分けて2種類あります。
一つ目は、詐害防止参加(権利侵害防止参加)です。民事訴訟法47条1項前段において、訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者は独立当事者参加ができると規定されています。
詐害防止参加は、馴れ合いの訴訟を防止するためとも言われています。
具体的にどのような場合に詐害防止参加が認められるかについては、学説で大きく争われており、確定されていません。
古い判例は、第三者の権利が他人間の訴訟の対象である訴訟物と論理的関係があることで判決によって事実上影響される場合に詐害防止参加を認める権利侵害説の立場に立っているとされています。
二つ目は、権利主張参加です。民事訴訟法47条1項後段において、訴訟の目的の全部もしくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、独立当事者参加ができる旨規定されています。
権利主張参加は、上記具体例のような場合です。
権利主張参加の要件は、第三者の請求が原告の請求と論理的に両立し得ない関係にあることだと一般的に言われています。
独立当事者参加の申立ての方法は、民事訴訟法47条4項において、補助参加の民事訴訟法43条が準用されており、参加の趣旨及び理由を明らかにすることが必要ですが、実質的な訴え提起であることから、基本的に書面を提出する必要があり、訴訟を起こす場合と同様に必要な金額の印紙を貼る必要があります。
独立当事者参加の審理は、共同訴訟の民事訴訟法40条1項~3項が準用されており(民事訴訟法47条4項)、訴訟資料・証拠資料が共通化されます。
判決で敗訴した側が2人いた場合に、1人だけ控訴したとき、控訴しなかった者は控訴審でどのような立場になるか争いがありますが、判例は被控訴人になるものとしています。