偽証罪とは、法律よって宣誓した証人が虚偽の陳述を行うことによって成立する犯罪です。刑法169条に規定があります。偽証罪の刑罰は3か月以上10年以下の懲役です。
「虚偽の陳述」とは、証人が自己の記憶と異なる事実を述べることだと解釈されています。つまり、証人が見間違い・記憶違いにより客観的な事実と異なることを証言したとしても偽証罪は成立しません。他方、証人が自己の記憶に反する内容の陳述をした場合、それが偶然にも客観的な真実と一致したとしても偽証罪が成立することになります。
また、「証人」とは、裁判の当事者以外の第三者が法廷で証言する場合をいいますので、刑事裁判の被告人は証人ではなく、たとえ法廷で虚偽の陳述をしても本罪は成立しません。
民事裁判の場合の当事者(原告、被告)が、虚偽の陳述をした場合にも、偽証罪は成立しませんが、民事訴訟法209条において、10万円以下の過料が科される場合があることが規定されています。