発起設立とは、株式会社の設立において、発起人が会社の設立時に発行される株式の全部を引き受けるもののことです(会社法25条1項1号)。
会社法上、設立の方法として、発起設立以外に、募集設立(設立時に発行される株式を引き受ける者を発起人以外に募集する場合。会社法25条1項2号)が認められています。
発起設立でも募集設立でも、発起人は、設立時に必ず1株以上の株式を引き受けなければならないことになっています(会社法25条2項)。
発起設立の手続は、概ね、以下のとおりです。
①定款の作成・認証(商号や本店所在地などの会社の基本的事項の決定)
↓
②発起人による株式の引受
↓
③払込取扱金融機関の決定及び発起人による払込(出資の履行。会社法34条)
↓
④設立時役員(取締役、監査役など)の選任(発起人の議決権の過半数で決定。会社法38条、40条)
↓
⑤現物出資などがある場合、検査役の選任及び検査役による調査(会社法33条1項、2項、4項など)
↓
⑥代表取締役などの代表者による設立登記申請
↓
⑦登記完了による会社成立の効力発生(会社法49条)
一般に、発起設立と募集設立を比較した場合、発起設立の方が手続が簡便とされています。
したがって、株式会社が設立される場合の大多数は、発起設立であり、また発起人がそのまま取締役になることが多いです。