発起人(ほっきにん)とは、株式会社などの法人を設立することを発起(思い立って始めること)する者のことであり、会社法上、定款を作成し、これに署名または記名押印した者のことをいいます(26条1項)。
発起人について、以前は、株式会社の設立の際に7人以上の発起人が必要とされていましたが、平成2年の商法改正により発起人は1人でも良いことになり、現在の会社法でも発起人は1名で良いことになっています。
発起人は、実質的に会社の設立を企画したり、尽力したりしたかどうかが問題ではなく、定款に署名または記名押印した者が発起人になります。ですので、実質的に会社の設立を企画した者が必ず発起人になるとは限りません。
また、発起人は、自然人だけでなく、法人もなることができます。未成年者や被保佐人、被補助人などの制限行為能力者も発起人になることができますが、未成年者は法定代理人の同意を得るなどの要件を満たした行為をする必要があります。
法人が発起人になるためには、その法人の定款の目的の範囲内に別の会社の設立発起行為をすることが含まれている必要があります。
発起人が複数いる場合は、発起人間で会社の設立を共同して行う発起人組合という組合契約が締結されているものと解されており、同趣旨の裁判例があります(大審院判決大正7年7月10日)。