未成年者買受け罪

未成年者買受け罪とは、未成年者を買い受けた者に成立する犯罪です。未成年者.jpg
未成年者買受け罪については、刑法226条の2第2項において規定があります。
未成年者買受け罪の刑事罰は、3月以上7年以下の懲役です。

本罪は、人身売買の罪に属します。
未成年者買受け罪は、平成17年の刑法一部改正において新たに加えられた犯罪です。
それまでは、日本国外に移送する目的で人身売買をした場合のみ処罰対象となっていました。
人身売買は、人を物のように売り買いすることですので、いわゆる奴隷の売買を基本的に想定していると思われます。

日本では、女衒(ぜげん)が借金の形に売られた娘を女郎屋・遊郭に連れて行くということが江戸時代だけでなく、明治、大正、昭和33年の売春防止法な完全な施行まで続いたとされています。
その後、日本人を対象とする人身売買は、収束していったようです。

ただし、東南アジアなどで人身売買などされた外国人が、日本に入国させられ、強制的に売春などに従事させられるということが発生しているようです。

ですので、日本でも、人身売買の罪の必要性はあると思われます。

本罪は、社会経験が浅く、人身売買の対象になりやすい未成年者を手厚く保護するため、成人を対象とする人身買受け罪(刑法226条の2第1項)よりも重い刑事罰を科すものです。
人身買受け罪は、3月以上5年以下の懲役ですので、本罪は刑罰の長期が7年以下になっている点で、重くなっています。
なお、本罪は、未成年者誘拐罪・略取罪(刑法224条)の刑事罰と、同一です。
未成年者とは、20歳未満の人です。このことは常識ではありますが、民法4条で、20歳をもって成人になるという規定があります。
なお、選挙権が18歳から行使できることになりましたので、今後、未成年者が18歳未満に下げられる可能性があります。

「買い受けた」に該当するためには、対価を支払い、未成年者についての不法な事実上の支配の引渡しを受け取ることが必要と考えられています。
その場合、対価については、金銭や、物品、サービスの提供などでも足りると思われます。

未成年者買受け罪は、未遂犯も処罰されます(刑法228条)。

 

 

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