説教等妨害罪とは、説教、礼拝または葬式を妨害した場合に成立する犯罪のことです。
説教等妨害罪は、刑法188条2項に規定されています。
説教等妨害罪の刑事罰は、1年以下の懲役・禁錮または10万円以下の罰金です。
本罪も、礼拝所不敬罪などと同様に、宗教的感情や健全な宗教的風俗を保護するために規定されたものです。
説教とは、宗教上の教義を説く行為のことです。宗旨(しゅうし)・教義の解説といわれることもあります。
礼拝とは、神や仏などに宗教的崇敬・尊崇の心を捧げる行為のことです。
葬式とは、死者を葬る儀式のことです。
説教、礼拝、葬式以外の宗教的儀式は、本罪の対象外であり、対象外の宗教的儀式を妨害した場合には、その行為態様により、偽計業務妨害罪(刑法233条後段)または威力業務妨害罪(刑法234条)に該当する場合が考えられます。
妨害とは、説教・礼拝・葬式に支障を生じさせる一切の行為のことであると解されます。
暴行・脅迫や偽計的・詐欺的手段を用いる場合を含め、その具体的方法は問いません。
結果として、実際に説教等が阻止されたことは必要ないと解されています。
つまり、説教等の平穏な進行を妨害するに足りるような行為がなされれば、説教等妨害罪が成立するものと思われます。
この点、結果として妨害されたこと、平穏な進行が一定程度乱されたことが必要とする見解があります。