浄水汚染罪

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浄水汚染罪とは、人の飲料に供する浄水を汚染し、使用することができないようにする犯罪です。

浄水汚染罪は、刑法142条に規定されています。
浄水汚染罪の刑罰は、6月以下の懲役または10万円以下の罰金です。

浄水汚染罪の刑法142条から、刑法の「第十五章 飲料水に関する罪」が規定されています。
「第十五章 飲料水に関する罪」には、水道汚染罪(刑法143条)や浄水毒物等混入罪(刑法144条)など、飲料水や上水道を汚染させる行為などが処罰の対象となっています。
「第十五章 飲料水に関する罪」は、飲料水や上水道が汚染などされることにより、人間の社会生活の安全が害されないよう犯罪として処罰の対象にしているものと思われます。

人の飲料に供する浄水とは、いわゆる飲料水のことですが、水道水については、水道汚染罪(刑法143条)の対象となりますので、含まれません。
井戸水や水瓶に貯めた水は、含まれます。
裁判例は見当たりませんが、最近普及しているウォーターサーバーの中の水を汚染した場合には、浄水汚染罪が成立するものと思われます。
ただし、1人が飲むためのコップに入っている飲料水は、本罪の対象ではないと考えられています。
つまり、不特定または多数の人の飲料水が本罪の対象とされています。
ただし、ここでいうところの不特定または多数というのは、厳密ではなく、数人の家族のための飲料水であれば、本罪の対象と考えられています。
また、浄水とは、人が飲料しうる程度の清潔な水であればよく、自然のわき水を貯めたものも含みます。
清涼飲料水は本罪の対象外とされています。

本罪の実行行為は、汚染して飲用できない状態にすることであり、物理的・心理的に飲めない程度に不潔な状態にすることが必要です。 
飲用できない状態にすることについて、行為者が認識していることが故意として必要と考えられています。
例えば、水瓶に泥を入れたり、井戸に放尿したりすることがこれに該当します。
最高裁判決昭和36年9月8日は、井戸水に食紅を入れて薄赤色にした事案について、心理的に飲用できなくさせたとして、本罪の実行行為である汚染に該当することを認めました。

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