業務上失火罪等

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業務上失火罪等とは、刑法117条の2に規定されている犯罪であり、以下の4種類の犯罪が規定されています。

①業務上失火罪、②業務上過失激発物破裂罪、③重失火罪、④重過失激発物破裂罪です。
これら犯罪の刑事罰は、いずれも、3年以下の禁錮または150万円以下の罰金です。

業務上失火罪とは、業務上必要な注意を怠った失火により物を焼損した犯罪です。
失火罪の刑罰が加重されている犯罪ということになります。
業務とは、職務として火気の安全に配慮すべき社会生活上の地位に基づく事務と理解されています。
具体的には、火気を直接取り扱う職務であるボイラーマン、調理師、溶接作業員や、火気の発生しやすい物質を取り扱う職務である給油作業員、プロパンガス販売業者、火災の発見・防止を任務とする職務である警備員、防火責任者について、業務と認められます。
専業主婦は、家庭内で調理を毎日のように反復継続して行うとしても、業務とは認められません。
業務以外の要件は、失火罪と同様です。

業務上過失激発物破裂罪とは、業務上必要な注意を怠ったことにより激発物を破裂させて、物を損壊させた犯罪です。
過失激発物破裂罪から刑罰が加重された犯罪です。
業務上過失激発物破裂罪における業務とは、基本的に業務上失火罪と同様ですが、職務として激発物の安全に配慮すべき社会生活上の地位に基づく事務であると思われます。
業務以外の要件は、過失激発物破裂罪と同様です。
過失激発物破裂罪については、激発物破裂罪にて説明している箇所がありますので、ご覧いただけたらと思います。

重失火罪とは、重大な過失の失火により物を焼損した犯罪です。
失火罪の刑罰が加重されている犯罪です。
重大な過失とは、過失の程度が重いことです。わずかな注意をはらえば結果発生を防止できたにもかかわらず、著しく注意を怠ったことにより結果が発生した場合です。
重大な過失が認められた事例としては、夏の炎天下のもとでガソリンスタンドのガソリン缶から50センチメートル位しか離れていない箇所でライターを使用したことにより火災が発生した事案(最高裁判決昭和23年6月8日)があります。
重大な過失外の要件は、失火罪と同様になります。

重過失激発物破裂罪とは、重大な過失により激発物を破裂させて、物を損壊させた犯罪です。
重過失による激発物破裂について、過失激発物破裂罪より刑罰が重くなったものです。
重大な過失とは、重失火罪と同様、過失の程度が重いことです。
その他の要件は、過失激発物破裂罪と同様であり、激発物破裂罪をご覧ください。

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