建造物等以外放火罪

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建造物等以外放火罪とは、放火して、現住建造物等放火罪および非現住建造物等放火罪の対象外の物を焼損し、公共の危険を生じさせた場合に成立する犯罪です。

刑法110条に規定されています。
建造物等以外放火罪の刑事罰は、目的物が他人所有の場合に1年以上10年以下の懲役、自己所有の場合に1年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

現住建造物等放火罪の対象である現に人が住居に使用し、または現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船、鉱坑および②非現住建造物等放火罪の対象である現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物・艦船・鉱坑以外の物が広く建造物等以外放火罪の対象物となります。
例えば、自動車や飛行機、バイクが本罪の対象物です。加えて、中に人がいない汽車・電車も、非現住建造物等放火罪の対象になっていないため、本罪の対象物です。
ありとあらゆる物が対象になるかどうかについては、学説上議論がありますが、後で述べるとおり、公共の危険が発生したことが要件として必要ですので、燃やすことで公共の危険が発生するようなものであることが必要であり、あまりに小さな物を燃やした程度では本罪が成立する事態にはなりにくいと思われます。

本罪の実行行為である放火については、現住建造物等放火罪において説明している内容と同じです。
放火の結果として必要である焼損についても、現住建造物等放火罪と同内容です。

公共の危険の発生が必要な具体的危険犯である点では、非現住建造物等放火罪の自己所有の場合と同様です。
公共の危険について、現住建造物等(刑法108条の対象物)、他人所有非現住建造物等(刑法109条1項の対象物)への延焼の危険だけでなく、不特定多数の人の生命・身体や前記建造物等以外の財産への危険を含むと判示した最高裁決定平成15年4月4日は、建造物等以外放火罪に関する判決です。
公共の危険の発生の認識が要件として不要とするのが判例である点も、非現住建造物等放火罪の自己所有の場合と同様です。

本罪は、未遂犯は処罰されません。放火罪の未遂犯を処罰するのは、刑法112条で、現住建造物等放火罪非現住建造物等放火罪の他人所有の場合だけです。

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