告訴とは、犯罪の被害者などが警察や検察などの捜査機関に対して、犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことです(刑事訴訟法230条以下)。
告訴をすることができる告訴権者は、①被害者、②被害者の法定代理人(被害者が未成年者の場合の親権者など)、③被害者が死亡した場合の遺族(配偶者、親や子などを含む直系親族、兄弟姉妹)、④死者の名誉が毀損された場合などの死者の親族・子孫とされています。
親告罪(起訴されるためには被害者らの告訴、告発、請求が必要不可欠な犯罪。例えば、強姦罪、器物損壊罪は親告罪です)については、原則として、被害者らが犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければいけません(刑事訴訟法235条)。
ただし、強姦罪などについては、この期間制限はありません。
この期間制限は、各告訴権者ごとに計算します(刑事訴訟法236条)。
また、告訴の手続としては、告訴は書面または口頭で行うことになります(刑事訴訟法241条1項)。
口頭の場合には、警察官などは告訴調書を作成する必要があります(同条2項)。
告訴は、代理人によってすることもできますので(刑事訴訟法240条)、弁護士が被害者の代理人として告訴をすることもできます。
告訴した後、起訴されるまでの間、告訴した者は告訴を取り下げることができます(刑事訴訟法237条1項。法律上は、告訴の「取消」と規定されています)。
ただし、告訴を取り下げた者は、再度告訴をすることはできません(同条2項)。
告訴があった場合、検察官は、起訴または不起訴の処分をした後、速やかに告訴人に通知しなければならず(刑事訴訟法260条)、告訴人の請求があるときは、速やかに不起訴処分の理由を教えなければいけません(刑事訴訟法261条)。