補導処分とは、売春防止法5条で禁止されている方法で売春した者について、執行猶予付の懲役・禁錮の有罪判決となる場合に、同時に付されることがある処分のことで、具体的には婦人補導院に収容され、更生のための生活指導や職業訓練、心身の障害に対する医療が行われるものです。
講学上、保安処分(将来の再犯防止のための国家的処分)の1つとされています。
売春防止法5条で禁止されている方法は、
①公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること
②売春の相手方となるよう勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと
③公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること
です。
それ以外の方法による売春行為自体は犯罪ではありませんが、売春場所の提供や管理売春、売春の周旋などは犯罪です。
補導処分になる場合には、刑の言渡と同時に、判決でその言渡がされます。
また、補導処分の期間は6か月と決まっています。
ただし、仮退院の制度があり、仮退院となった者は、身柄が釈放され、保護観察に付されます。そのまま無事に仮退院が取り消されることなく補導処分の6か月の期間を経過すれば、補導処分が終了することになります。